【コラム】サッカーのメンタルトレーニング
サッカーW杯カタール大会を観戦して
サッカーW杯カタール大会がスタートして、毎日夜更かし、または早起きをしている人も多いのではないでしょうか?
ご存知のこと日本代表はベスト8をかけてクロアチア代表と戦いましたが、惜しくもPK戦の末、敗れてしました。
PK戦では、やはり選手には計り知れないプレッシャーがのしかかっていたことが推測されます。
今回は、プレッシャーの対処法についてご紹介したいと思います。
プレッシャーとは?
皆さんも何かに取り組む際にプレッシャーがかかってパフォーマンスが発揮できなかったこと経験があるのではないでしょうか?
プレッシャーは、Choking under the pressureと言い、専門用語でいうと「あがり」と言います。「あがり」とは、過度の緊張状態に陥りパフォーマンスが発揮できなくなる現象を指します。大観衆が一挙手一投足に注目するスポーツでは、パフォーマンスを低下させるよくある現象にであり、これらをいかにコントロールしていくかがメンタルトレーニングでも重要な課題となります。
プレッシャーへの対処方法
プレッシャーへの対処方法はいくつか存在します。簡単に言えば、心理面(考え方)へアプローチをしていくか身体面(行動)にアプローチしていくことです。
①プレッシャーをポジティブに考える
皆さんにとって、緊張は悪・ネガティブなものでしょうか?
実は、一般的に緊張に関しての誤解があります。一般的に使用する「緊張」という言葉は過緊張状態(緊張しすぎている)を指します。つまり、緊張にも度合いがあり緊張しすぎてしまうとパフォーマンスが低下します。ヤーキーズ・ドットソンの提唱する逆U字曲線では、緊張し過ぎ、リラックスし過ぎてもいいパフォーマンスが出ないと言われています。そのため、自分にとって適度な緊張レベルにコントロールしていくことが重要になります。このことからも、緊張は必要であり、緊張に対して前向きに捉えていくことが大切です。
ヤーキーズとドットソン(1960)の逆U字曲線を参考に筆者が作成
②呼吸をコントロールする
人間は、緊張すると心拍数が高まり、呼吸が早くなります。そのため、呼吸法を行い身体面にアプローチすることが大切です。
<呼吸法>
③結果よりパフォーマンス・プロセスに意識を向ける
スポーツ場面におけるプレッシャーの原因のほとんどが「結果」を考えることです。「ミスしたらどうしよう。」、「負けたらどうしよう。」これらは全て結果に関することです。メンタルトレーニングでは、「結果はコントロールできない」という考え方をします。なぜなら、結果は未来、もしくは過去の出来事だからです。結果を出したいのは当たり前。では、何をすればいいのか?練習で積み重ねたことを「今この瞬間」に発揮することが重要です。つまり、結果を出したければ何をすればいいのかというパフォーマンスに意識を向けることが大切です。
少しでも多くの人に届き、パフォーマンス発揮ができることを祈るばかりです。
スポーツメンタルトレーニング指導士
Ph.D.
小林玄樹