【コラム】メンタルトレーニングって何?
メンタルトレーニングとは?
メンタルトレーニングとは、スポーツ心理学の研究によってプログラム化された科学的・系統的・合理的なトレーニングです。アスリートが技術や体力をトレーニングするのと同じように、心理面もトレーニングをするということです。
「心」は、誰でもトレーニングすることができるのです!
ここでの科学的という言葉は、学問的にバックグラウンドがあり、研究の積み重ねによって構築された理論に基づいているということです。
残念なことに、日本ではこのような学問的に背景がない方々がメンタルトレーニングの専門家として、活動ができている現状にあります。スポーツ心理学、メンタルトレーニングなどのスポーツ科学に関わる者として、エビデンスを大切にして行きたいと考えています。
メンタルトレーニングの歴史
メンタルトレーニングは、宇宙飛行士のトレーニングとして1950年代に旧ソビエトでスタートし、スポーツ分野で本格的に活用したのは、1976年のモントリオール五輪の前後から五輪などのレベルで発展していきました。そして、特に1984年のロサンジェルス五輪において注目を浴びました。日本では、1985年ごろから日本体育協会スポーツ 医・科学研究報告のスポーツ選手のメンタル・マネジメントに関する研究をきっかけに様々な研究がスタートし、研究、実践(コンサルティング)、教育などに行われています。
メンタルトレーニングの目的
メンタルトレーニングの目的は、競技力向上(Performance enhancement)です。簡単に言えば、以下のように表すことができます(高妻、2014)。
・実力発揮
・練習の質の向上
・人間的向上
メンタルトレーニングとは具体的に何をするの?
スポーツ心理学の研究によって導き出された「心理的スキル」をトレーニングすることでメンタル面強化をすることができます。
心理的スキル(例)
①目標設定
②リラクセーション&サインキングアップ
③イメージ
④集中力
⑤プラス思考
⑥セルフトーク
⑦コミュニケーション
⑧試合に対する心理的準備
最近では、メンタルトレーニングという言葉も少しずつ認知されてきましたが、まだまだ海外と比較すると後進国と言わざるを得ません。
実力とは、心技体のバランスです。ご自身の目標達成の可能性を少しでも引き上げるために、心の強化にも力を入れてみてはいかがでしょうか?
スポーツメンタルトレーニング指導士
Ph.D.
小林玄樹